生産者案内:還暦での新たな挑戦
   会社員として勤続35年目頃、還暦も近くなり、定年をまじかに迎え今後の人生をどう生きて行こうかと真剣に考える様になりました。第2のサラリーマン生活ができればとも考えましたが、年齢的にも難しいし、きめられた空間と時間の中でこれ以上継続して勤める事は出来ないだろうと自分で勝手に決めておりました。さりとて経済的にさほど余裕があるわけでもなく、ここは一つ原点に戻り、自然を相手にしてみようと考えました。

 幸い家は兼業農家でもあり、手伝いで多少の農業の経験はあり、40代半ば頃に父が亡くなってからは、農作業はめっきりご無沙汰となりましたが、多少時間的に余裕が出てきた50歳頃より、キュウリ、トマト、じゃがいもなどを本格的に育てはじめました。農機具は父が残したものがあり、家庭菜園程度をするぐらいには困りませんでした。

 本格的に土いじりを始めると、なぜか春先の土の臭いが懐かしく、耕した土の柔らかさとあたたかさが心を和ませ、耕した時の土の感触、収穫した時の喜び、自然回帰への一種の解放感は、農業へのあこがれを掻き立てるものがありました。ですが草との対峙だけは辟易しました。

 還暦にして本格的ににんにく作りを始めるにあたり、農地はかつて私が小学生の頃に麦踏をしていた2反歩ほどの畑を利用する事にしました。麦畑だった農地は、その後、父が植えた植木が植わっておりましたが、父が亡くなってからはほとんど手入れもされず雑草と共に荒れ果てて林となっておりました。そこで、思い切ってくるみの木、植木などを全部抜き取り整地をする事にしました。その結果、荒れていた土地は見事に農地として蘇り、荒廃した林を目印に農地の直ぐ傍の家に訪ねて来て居た人が、林から農地へと変身した見違える光景に思わず通り過ぎてしまった。とまで聞いたほどとなりました。トラクタ、管理機などの農機具は20年以上も経って居て、そこここに不具合が生じており、思い切って買え変え、さらに藁を散布するための藁切り機なども購入して栽培への備えを入念に行いました。

 これまで無農薬、有機栽培にこだわりを持って野菜作りをしてきましたが、にんにく作りも同様に計画を立てました。農地は昔畑だった事もあり、耕した土は柔らかく、土の色からもほどほど肥えているとは思いましたが、酸度計で酸性度の確認を行って苦土石灰などを施して酸性度を薄め、さらに鶏糞、落ち葉、知り合いから仕入れた藁、米糠などを施し一層肥えた畑とするべく土づくりを進めました。にんにくの種は青森より有機栽培用の種子(福地ホワイト)を購入することにしました。青森はにんにくの産地でもあり、又気候条件などの土地柄も丁度あっているからとも思ったからです。

 こうしていよいよ本格的なにんにく作りがはじまりました。
にんにく作り日記をご覧ください。

【にんにく作り日記】


2010年

 6月 
  
△植木が植わってた雑畑を整地。約2反歩

    見違えるようになった畑の光景に、道を間違える人がいました。(^。^)y-.。o○


 7月
  △トラクタ、管理機、買え変え。藁切り機新規購入

   
この出費は痛いが、なけなしの貯金をはたいての購入です。(;_;)

 8月  
  △苦土石灰、鶏糞堆肥散布

   
石灰、鶏糞の袋が重くて散布した翌日は腰が痛くて歩けませんでした。

  △トラクターにて畑を耕す。
   
思ったより時間がかかり、ライトを付けて耕しました。(-_-;)

 9月
  △有機肥料を散布し、にんにく植え付けの畝立て準備

  △青森よりにんにく種子が到着し、個片に割る
  
 種子が高い!(*_*);。手が痛くなるほど個片割りをしました。

 
10月
  △植え付と、有機肥料を散布

 11月
  △にんにくが芽を出し、稲藁で覆う

  
芽が出て来た時は、「やった!」(*^^)v

2011年


 2月
  △にんにく畑が、雪で一面覆われる

   
にんにく,寒さで大丈夫かな?とちょっと心配・・・

 3月
  △東日本大震災発生
 
 ※被害に遭われ、亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げると共に、一日も早い復旧・復興をお祈り申し上げます。

 
4月
  △米ぬかで追肥

   草の生える事の防止も期待して、一所懸命米ぬかで覆う


  △草が伸び始め、退治
  
 米ぬかでの草防止はあまり効果なし(;一_一) 

 5月〜6月
  △ひたすら草退治

   
日は延びる、 草も伸びる伸びる、ほとんど毎週格闘で私ものびました。 (*_*;

  △とう摘みをする
   
これをかかすと、にんにくが大きくならないと聞いておりましたので、目いっぱい芽を摘みました。 (^_^)/

 7月
  △本格的な収穫開始

   
大きくなっているか心配で、なかなか抜けませんでしたが、抜いてみてそこそこになっているのを見てここでも「やった!」(*^^)v
   

 8月
  △出荷の準備

   ただいま準備で大忙しです。
  ※心配された放射能汚染は小諸ではないとの事でした。
    (11月に文科省より汚染のない状況が改めて示されました。)

   
  △来年に向けての準備開始
 
   昨年と同様苦土石灰、鶏糞堆肥散布し、トラクタで畑を耕しました。でも要領が分かっていたため、比較的スムースに行う事が出来ました。
 

  △直売所に出す
   
近所の直売所においてもらえる事になり、10袋(3個入り/袋)ほど置いてもらいました。
   売れるか心配。数日おいて行ってみると2袋(3個入り/袋)ほど売れたとの事。ほっと一安心。

 
 △黒にんにく作りに挑戦
   
作り方を色々調べの挑戦です。 一定温度で約1カ月熟成するのです。50個ほどを仕込みました。結果が楽しみです。(^。^)y-.。o○
 

  
△黒にんにく結果1回目
  
 10日ほど熟成させ確認してみると、順調に熟成している様子。この調子だといい黒にんにくが出来そう。(^.^)/~~~
    更に10日ほどさせて取り出してみると、外形は青森から取り寄せた黒にんにくとほぼ同じ色。早速皮をむいての味見
    「ムムム・・・硬い!水気がない!食べられない事はないが、とても商品にはならない」
    「温度が高すぎたのか・・・?、それにしても丁寧に外皮を剥いて、折角仕込んだ50個は痛い!」(;一_一)

    と、思いながらも温度を変えて再度仕込みを入れました。今度は数量を10個ほどにしました。(^^ゞ
    今回作った50個は、同級生、近所の人にあげました。皆な物珍し気に眺め、感心していましたが、食べての感想は聴くことが出来ませんでした。^_^;

 9月
  
△直売はそこそこ順調
   直売所に出した普通のにんにくはそこそこに捌けました。球が大きく真っ白で特にバーベキュには人気があった様です。

  
  △黒にんにく挑戦2回目
   今度はこまめに温度を確認しながら、特に水気には気をくばって、熟成機から滴り落ちる水分を時々水を補充するなど、慎重に熟成させました。
   「今度は上手く行くだろう。色もいいし、水気もそこそこにある。」と、ちょっと自信あり。
   25日ほど経って取り出して、早速味見確認。

   「ムムム・・・ 前回とほとんど変わらない、水気がない〜〜〜。」
   「矢張り、黒にんにくはそう簡単には出来ないのか・・・」
   ちょっと諦め気味。

  △青森よりにんにく種子が到着し、個片に割る
  
 昨年より、約2倍の種子を購入し、又、手が痛くなるほど個片割りをしました。(@_@;)

 10月
  △黒にんにく挑戦3回目
   再度気を取り直して作り方の資料を読み返し、確認して見ましたが、つく方で特に問題となる点は見つかりません。
   「しかし、熟成機から滴り落ちる水気がどうも気にかかる。」
   「よし!、密閉度を上げてみる事にしよう!」
   と、3回目の挑戦にとりかかりました。

   2回目同様、こまめに確認チェック、10日ほど経って持ってみると、しっとりとして重く、手ごたえを感じました。
   それから15日ほどして熟成機より取り出し、手にしてみると矢張り重量感があり、明らかに前2回との違いを感じつつ一個を手に持ち、徐に皮をむき
   試食してみると、柔らかくプルーンの様です。
   「やった!取り寄せた黒にんにくと差ほど変わりない、これはいける!」

   早速、近所、知り合いに配り味見をしてもらうと 
   「美味しい!、臭いも少なく体が暖かくなった」
   と好評判です。
   では、早速店頭にと思いましたが、仕掛けた数が少なく、配ってしまったらほとんど手もとには残っておらず種切れです(;一_一)。

   そんな訳で2011年での黒にんにくの販売は出来ませんでしたが、是非2012年にはご提供できるようにしたいと思っております。

  △植え付と、有機肥料を散布
   昨年は草に手をやきました。今年は草退治が減るだろうと淡い期待をしながらマルチを使っての植え付けです。(*^^)v 
  
 
 11月
  △にんにくが芽を出す
  
マルチの穴より元気よく芽が出て来ました。

  
    
2012年
 
 △1月
    
昨年12月より雪らしい雪も雨も降りません。水気がなくて心配しておりましたら、やっと21日にまとまった雪が降り一安心です。
    庭の雪かきかは湿っていて重たく、大変でした。でも日本海の方々の雪の量に比べたら問題外です。贅沢は言ってられませんよね。(・_・;)

  
△4月
   今年のお正月は、雪が少ないと思っていたら、遅くまで雪が降り、気温も低かったので、連休間際になって桜がようやく満開となり、一気に春らしくなりました。
   にんにく畑の草も思ったほどマルチの効果がなく伸びています。連休は草退治で忙しくなりそうです。(;_;)
 
 
 △5月
   大型連休は、中盤はお天気が崩れましたが、前半、後半と概ね晴れ、さほど暑くもなく絶好の草退治日和?でした。(*^^)v


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