前口上 昔々、あるところで、ひょんなことから、ある与太話を書いたのがきっかけで毎日その日の相場状況にちなんだ料理のレシピを考えなければならなくなるという羽目に陥ってしまった。 なにしろ、その日の株式相場次第で御題が変わってしまうということで、毎日が出たとこ勝負でレシピを書くしかないのだから、これはつらい。 とは言え、誰に頼まれたわけでもなく、「株式料理百選やるでぇ!」などと、つまらぬことを口走ってしまった己が愚かさを呪いつつ、はたまた、ひょっとしたらこれは結構いけるんじゃないか、株式料理研究家ということでデビューしようか、そういえば、このジャンルは、まだ誰も手をつけていないなぁ・・・、と言うことは、斯界の第一人者、世界の権威ということになるんじゃないか、などと妄想を膨らませつつ、無から紡ぎ出したレシピの数々をノートに書き留めたものである。 |