ということで、今日は「もちあいそうば」ってことにしちゃいましょう。(^^;
最初は「もち」ですが、今日は素直に「餅」いってみましょうか。
「あいそ」は「アイソ」でいかがでしょう、ウグイのことアイソって言うんですよ。
他には、アイサ・アカハラ・イゴ・イダ・ハヤなど地方によって違いますけどね。
まずアイソの鰓腸を取り、串に刺して炭火で丹念に素焼きして、2〜3日陰干ししたものをさっと洗って、昆布と一緒に水に入れ一晩置き、火にかけ昆布に泡が付くような温度になったら、火を弱め濁りが出ないように出汁をとり、煮立つ前に昆布とアイソを取り出し、布で漉して、酒・醤油・味醂と塩少々で味付けし出汁を仕上げます。
さて、今日はどうしても湯葉を使わなきゃならないので、アイソを取り出し湯葉で巻いて軸三つ葉で結んで、出汁を別鍋にとって炊いてみましょうか。
ちょっと上品になっちゃいましたね。
こうなると他も上品にしなきゃならないので、もち米をやわらかく煮てそば粉を入れ、よく練って耳たぶ位のやわらかさにして薄い小判型にし、ニンジン・ゴボウを拍子木に切って茹でて出汁で炊いたものと鴨を薄くそぎ切り霜振りして酒・砂糖・醤油で炊いたものを真ん中に置き二つ折りして蒸しましょう。
餅とアイソ湯葉巻を椀に取り、出汁を張り、彩りに葉付きの姫大根を茹で出汁でさっと炊いたものでも上に飾り、松葉柚子でも添えましょうか。
「餅アイソ湯葉(もちあいそうば)」の出来上がりですねぇ。
正月料理になっちゃいましたけど。(^^;ゞ
えっ、湯葉は「うば」じゃなくて「ゆば」だろうって?
それがね、山東京伝の考証随筆『骨董集』には「俗説に、豆腐皮をユバといふは訛言なり。本名はウバ也。其色、黄にて皺あるが、姥の面皮に似たる故の名なりといへるは、みだりごとなり。異制庭訓往来に豆腐上物とあるこそ本名なるべけれ。豆腐をつくるに、上にうかむ皮なれば、さは云へるならん。略してトウフノウハと云ひ、音便にハ文字濁りてウバと云へるより起れる俗説なるべし、ユバと云ふも、ウとユと横にかよへば、甚しき訛にもあらず」となっていますけど、たしかに室町期の「遊学往来」にも「豆腐上物(とうふうわもの)」と見えますね。
元禄期の『茶湯献立指南』には「たうふのうば」とか「うば」となっています。
それがやがて「ゆば」になって、近年になって湯葉という文字があてられるようになったということのようですねぇ。
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