不思議の国の不動産。不動産をめぐる、知っておいた方が良い、ひどい目にあわないための、本当の話。

 

 

不動産 ほんものは、どこだ?



あなたは本当に地番を知ってますか?


「地番を教えてください」 と丁寧にお願いしているのに、地番を教えてくれない人がいる。

よほど意地悪な人かというとそうでもない。意外にも自分の地番を知らないのだ。

べつにそこいらを徘徊している呆け老人に聞いているわけではない、土地を売ろうという人に聞いているのだけれど。

たしかに 「○○丁目△△番××号」 とは教えてくれるんだけど、地番じゃないんだな、これが。

 

地番とは

地番というのは、簡単に言うとその土地についている登記上の番号で、謄本や公図はこの地番でないと出てこないんだよね。

じゃあ 「○○丁目△△番××号」 はいったい何なんだ、と怒られてもこまるんだな。私のせいじゃないんだから。

 

住居番号

これは住居番号といって、昭和37年にできた「住居表示に関する法律」という法律があって、「公共の福祉の増進に資することを目的として」「道路、鉄道若しくは軌道の線路その他の恒久的な施設又は河川、水路等によつて区画した場合におけるその区画された地域につけられる符号及び当該街区内にある建物その他の工作物につけられる住居表示のための番号」 なんだな。

よく読んだかい。公共の福祉の増進のための番号なんだぜ。

あだやおろそかにしては、お天道様が許さないという代物である。

でも、この公共の福祉の番号がやっかいなんだよね。

土地を探すときには一軒一軒住民の名前が書き込んである住宅地図というのを使うのだが、住居番号が書いてあるのが多いので、地番を覚えていないと住宅地図では探しだだせても、そこの地番がわからないので謄本を取るのに一苦労なんだ。

公共の福祉のためというのは、おらを除いてということなんだろうな。

だけど、これはまだ良いほうで、分譲地なんかで区画番号と住居番号と地番と違うことがあるんだ。

 

番号がいっぱい!?

これは秘密だけど、軽井沢なんか最悪だぜ。

分譲のときの販売区画番号のほかに別荘管理会社がつけた別荘地の区画番号があって、これが違っているんだ。

まったく、なんで一緒にしないかって言うの。

そのうえに別荘番号というのがあって、これがなんと郵便局が番号を付けているんだぜ。

その昔、ナンバーハウスといって別荘番号をもつのがステイタスだったので、別荘所有者がわざわざ「別荘番号設定申請書」なるものを郵便局に提出してまで、郵便局から番号をもらって、その番号を表札代わりに立てているのだ。

べつにこんなものなくたって郵便は届けてくれるのに。

隣近所で、それぞれてんでばらばらな番号を使っているのだ、実際。

住宅地図も、アルバイトを雇って一軒ずつ表札や表に出ている番号表示を調査して作っているから、全く勝手な番号が記入されている。

数字は1から9までしかないんだから、あっちこっちに同じ番号があって、どれが本物だかわかりゃしない。


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