HOME>相場はいくら?>このあたりの相場はいくら 「
このあたりの相場はいくらですか 」 というのは、不動産屋さんの店頭で、いちばんよく聞かれる質問のような気がする。 でも、本当は一番困っちゃうんだよね、この手の質問が。 法律には「適正な時価」って言葉はあるんだけどねぇ。 これが困ったもので、寿司屋で「時価」って書いてあったら、払う時まで値段は分りませんよってことでしょ。 そもそも不動産は、ひとつとして同じものがないというのが特徴なんだよねぇ。 しかも、不動産の現実の売買の内容にはいろいろな事情があって、お金に困って割安に売った(売り急ぎ)とか、どうしてもその土地が欲しいために高値で買った(買い進み)なんてことはよくあることで、それぞれが個別的な事情を持っているんだよねぇ。 不動産の適正な価格?実際の不動産の取引では、売主は少しでも高く売りたいし、買主は少しでも安く買いたいのが本音。 だれも相場で売り買いしたいなんて思ってないんだよねぇ。 売買の当事者にとって最大の関心事は、その土地がいくらで売れるのか、売って損をしないか、あるいはいくらなら買えるのか、買って損をしないかという一点でしょ。 「
このあたりの相場はいくらですか 」 というのが、本当は一番困っちゃう質問というのがここにあるのよ。 不動産の所有者は、自分の不動産を、正当な評価額より高いと思っている場合が普通というか、ほぼ間違いないところなんだよねぇ。 自分の持っている不動産への愛着や欲目などの主観的価値が入ってくるから、一生懸命に不動産屋さんに説明するわけですよ、自分の不動産のいいところ(自分がそう思ってるだけなんだけど)を。 不動産屋さんは、「そうですねぇ」って相槌うってるけど、ほどんどは耳に栓してるのよ。 そして、どうやったら売主に売れる値段を納得させようか、なんて考えてるのね。 いったん売るとなれば、多くの買い手の価値観すなわち「客観的価値」(ほんとかいな!)にもとづかなければ世間では通用しないんだよねぇ。 ただ、妥当な価格を受け入れることは、売主にとっては自分の財産が目減りするようでおもしろくない。 その気持ちは分からなくはないけど、売却希望価格(「となえ値・出値」とも言う)は、その値段で買ってもいいという買主がいて、はじめて売却が可能になる。 だから、妥当な価格、つまり買ってくれる値段と折り合いをつけさせるのが不動産屋さんの仕事になる。 でも、不動産さんは、売主が売れそうな金額とかけ離れた売却希望価格を提示しても、そのまま受け入れてしまう事がしばしばあるが、前にも書いたように売主からも手数料をもらえるので、大事なお客さんを逃がしたくないからなんだけど、仲介の委任を受けることが出来ても、なかなか買い手を見つけられないことになる。 もっとも大抵は、なかなか買いたいお客さんが現れないのに痺れをきらせた売主が、やいのやいの言ってきたときに「いやぁ、この値段では高いって言われるんですよ」とかなんとか言いながら出し値を下げさせていくんだけど、そうやって時間をかけて何ヶ月も売れないで不動産屋さんの店頭なんかに貼り出してあるのを「さらし物件」といって、どういうわけか他の業者やお客さんからも敬遠されて、あとでだんだん値段を下げていっても、なかなか売れなくなっちゃうんだよね。 だから、売主にやや不満が残る形であっても、最初から売れる値段を納得させなければならないので、相場を聞かれた時に安値圏の値段を答えて、それよりちょっと高めの値段で出させるようにするんだよね。結局はそのほうが売主のためになることが多いんだもの。 いっぽう買主は、売るときとは反対に、安ければ安いほどいい、できれば掘り出し物でもないかと思うのが人情で、これも気持ちはよくわかるんだけど、一般的にいうと不動産に掘り出し物はないのが普通。 もしあれば、業者がすぐに買っちゃうもの。 だから不動産を買いたいっていう人に相場を聞かれた時には高値圏の値段を答えて、それよりちょっと安めの値段で決めさせるようにするんだよね。 このことを、適正な価格を形成するっていうのよぉ。 1/2 1.このあたりの相場はいくら 2.一物何価?
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