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乙区(所有権以外の権利)欄の見方

所有権以外の権利として登記されるものには、@地上権、A永小作権、B地役権、C賃借権、D採石権、E先取特権、F質権、G抵当権・根抵当権、の8種類がある。

@からDまでは、不動産の利用価値を権利として独立させたもので、他人の権利が設定されていると、不動産の全部または一部を自由に利用することができない。

EからGまでは、金銭債権などの担保とするものである。

甲区と同様に登記の受付順に記載されている。

乙区内の順位の優劣は原則として順位番号により決まる。

つまり早いもの順ということだが、権利者間の順位変更登記やその他の処分により変動するので即断は出来ない。

また、甲区の登記との順位の優劣は相互の受付年月日と受付番号をみる。

これもやはり早いほうが優位に立つ。

これらの権利が残っていると、物件の買主が物件を利用できなかったり所有権を失ったりということがあり大変危険である。

登記されている権利の種類や権利者を確認し、売買に先立ってそれらの権利をどうするか弁済などの清算時期・金額・方法など検討し、抹消できるかどうか権利者に確認する必要がある。

大抵の権利者は大丈夫ですと言うんだが、大丈夫でないのが結構あったりする。

金融機関や地方税なんかだと、いちおう頑張ってみてだめだと適当なところで手を打つけれど、国税局なんかめちゃくちゃなこと言い出すから。

国税徴収法第48条(超過差押及び無益な差押の禁止) に、国税を徴収するために必要な財産以外の財産は、差し押えることができない。
2  差し押えることができる財産の価額がその差押に係る滞納処分費及び徴収すべき国税に先だつ他の国税、地方税その他の債権の金額の合計額をこえる見込がないときは、その財産は、差し押えることができない。

とあって、本当は抵当権が目いっぱいついて徴収する見込がないと差押できないことになっているんだけれど、国税局はかまわず差押えにかかる。全く敬服する。

乙区で、もっとも一般的なのは抵当権と短期賃借権だが、売買金額が設定されている債権額より少ない場合、金融機関に確認して抹消できるかどうか確認する事が必要。

個人名で抵当権や短期賃借権が入っているのは、その筋の可能性もあるのでご用心。

その短期賃借権だが、抵当権設定後に成立した権利は抵当権に対抗できないが、土地については5年、建物については3年を超えない短期賃貸借(短賃)は、抵当権設定後でも登記してあれば抵当権に対抗できることになっていて、これを利用する方がいらっしゃると言うわけである。

ただし、抵当権者に損害を及ぼすときは解除されることもあるが、解除するのが結構手間なので、物件処分のときに悪用されないよう、金融機関でもノンバンクなどはあらかじめ抵当権設定と同時に設定することが多い。

抵当権者と異なる名義の短期賃貸借権が登記されているとき、とくに個人名義のものは注意する。

どうしてだか言わなくてもわかるよね。

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